こんにちは、さんかれです!
前回の記事では、人が買い物をする時の心理プロセスである『AIDMAの法則』の全体像について説明しました。
今回の記事より、AIDMAの法則の各段階において、より具体的に何をしなければいけないのか段階ごとに説明していきたいと思います。
というわけで、今回は、AIDMAの法則の1番最初のAttention(注意)について解説していきます!
販売の第一歩は商品の存在に気づいてもらうこと
買い物は商品の存在を知ることから始まり、逆に販売は商品の存在をお客さんに知ってもらうことから始まります。
存在自体を知らない商品を買えないように、存在を知られてない商品が売れることはないでしょう。
これは、言われるまでもなく当たり前のことなんですが、商品を販売する上で最も大事なことの一つでもあります。
極端な例ですが、あなたが大金持ちで、買ったばかりの最新の高級車を気まぐれで1円で販売するとします。
最新の高級車が1円で買えるなら誰もが欲しいと思うでしょうから、このことをテレビで告知すれば一瞬で買い手がつきますよね?
反対に、この告知を小さなメモ紙に書いて、南極の氷の中に埋めたとしたらどうでしょう?誰も告知を受け取れないので、売れるわけありませんね。
どれほど魅力的な商品でも、商品の存在に気がついてもらえなければ売れることはないのです。モノを売りたければ、まずはお客さんの注意を引きましょう。
お客さんに商品の存在を気付かせるためには
では、どうすればお客さんの注意を引くことができるでしょうか?
答えは、単純です。売りたい商品を周りの別の商品よりも目立たせることです。
販売に関わる方に言わせれば、そんなの当たり前だよ!と思うかもしれませんが、当たり前であるが故に、売りたい商品が思うように売れない時はまずこれがちゃんとできているか確認しなければいけません。
では、周りの商品よりも目立たせるためには何をしなければいけないでしょうか?
扱っている商品や、店舗形態(実店舗かネット販売か等)によって、方法は変わってきますが、このブログでは、店舗を実際に構えて、商品を売り場に並べて販売するお店を想定して解説していきたいと思います。
商品を目立たせる方法は、大きく分けて以下の3つです。
①目立つ場所に商品を陳列する
②商品を大量陳列する
③販促物を活用する
ここからは、この3つについて解説していきます。
①目立つ場所に商品を陳列する
お店の入り口近くの最も目立つ場所に並べる商品と、お店の奥に並べている商品では売れ行きが全く違うのは、商売の常識ではありますが、目立つ場所にある商品が売れる理由は、商品が店内の他の商品よりも目立ち、商品の存在を認識しやすいからだということを再確認しておきましょう。
売場に立ち寄る人の割合を立ち寄り率言いますが、大切なのはこの立ち寄り率の高い場所に商品を並べることです。人の目につきやすい場所であることです。コンビニのレジの横のお菓子をつい買ってしまうのは、レジという買い物をする人が100%必ず立ち寄る目立つ場所にあるからです。反対に、店の通路の奥に並べている商品が売れないのは、その場所に立ち寄る人もいれば立ち寄らない人もいる立ち寄り率が不安定な場所だからです。
他にも、目線の高さの棚に並んでいる商品はその上下の商品よりも目立ち、ゴールデンラインと呼ばれているのは有名です。
但し、実際に店舗で商品を販売の経験がある方ならわかると思いますが、店内の“目立つ場所”には限りがあり、なんでもかんでもそこに陳列できるわけではありません。今最も売りたい商品をそこに置くのは当然ですが、2番目3番目に以降に売りたい商品は?となってくると、この方法だけでは限界があります。
商品を大量陳列する
大量陳列とは、文字通り商品を大量に陳列することです。スーパーやホームセンター等で良く見かけますね。
商品を大量陳列すれば、当然商品が目に入る確率が高くなるので、商品の存在を認識する確率も高くなります。目立つ場所にあれば尚いいですが、目立つ場所でなかったとしても、大量に陳列することで、商品が視界に入りやすくなりますので、店内のスペースを有効活用することができます。出入り口の様な目立つ場所が仮に3個しかないお店でも、大量陳列で目立たせることで、目立つ売り場を増やすことができます。
大量陳列には、商品を目立たせるだけではなく、物理的に商品を手に取りやすくする効果もありますし、この店はこれをオススメしているんだ!と買う側に安心感を与える効果もあります。「たくさん並んでいる=みんな買っている」とも、「評判が悪い商品をこんなにたくさん仕入れないだろう」とも解釈してもらえるでしょう。
販促物を活用する
そして最後に、商品の存在をお客さんに気づかせる方法として、販促物を活用することが挙げられます。
そもそも販促物とは、文字通り『販売を促進するためのモノ』つまり、商品の売上を伸ばすための道具です。販促物と一言で言っても、種類や形は様々で、POPやポスター等の紙媒体をはじめ、映像、音楽なども販促物といえます。
目立つ場所に商品を陳列できなくても、商品を大量に仕入れて陳列しなくても、POPが貼ってあったり、BGMがかかっているだけで商品への注目度が上がり、商品の存在に気づかせることができます。
人間は視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感で情報を得ています。一般的には、人間が知覚する情報全てを100%とすると、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%で情報を得ていると言われています。このことからも、商品の存在を知らせるためには、知覚情報の94%を占める視覚と聴覚が重要です。(①の目立つ場所に陳列することも、②の大量陳列も視覚的に商品の存在をアピールしています。)
その意味でも、テーマボードやのぼり、案内板、コトPOP、映像等の視覚情報を発信する販促物は重要度が非常に高いと言えます。
また、BGMやマイク放送、スーパーで使われている呼び込み君のような音声媒体であれば、売り場とお客さんの間に距離や障害物があったとしても、商品の存在を伝えられるという利点があります。
まとめ
このように、店舗で商品を販売する場合、商品の存在をお客さんに認識させる方法は大きく分けて3つあります。
①目立つ場所に商品を陳列する
②商品を大量陳列する
③販促物を活用する
★特に3つ目の販促物については、次回以降解説する、Interest(興味)やDesire(欲求)にも大きく関わってきますので、このブログでは販促物について重点的に取り扱う予定です。
どれほど売れる可能性が高い商品だったとしても、先ずは買う側にその商品の存在を知らせないと何も始まりません。手段は問わず、あらゆる手を使って商品の存在をアピールしましょう。